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長沢芦雪 奇は新なり展 [日記]

先日の休みには、滋賀県のミホミュージアム(MIHO MUZEUM)へ行ってきました。

miho2.JPG

金色に輝く豪華な図録です。(^o^)丿

miho1.JPG

電車やバスを乗り継いで、とんでもなく辺鄙な(失礼!)ところにある、ミホミュージアムへ向かいます。

途中、バスが、ものすごい山道を急ブレーキをかけなが片側に渓谷を見ながら進みますが、私は、すっかり熟睡していました。汗

それで、蘆雪(芦雪)です。

つい最近、NHKでは、江戸時代の非狩野派(と言っていいのでしょうか)のおもしろい絵師の話をよくやっていますが、

その始まりのような番組で、「長沢蘆雪」のことをやっていました。

今回の展覧会では、その時に放映されていた、和歌山の無量寺の「龍図・虎図襖」が出ていました!(会期中は展示替えがありますので、見たい方はお早めに!この襖は5月8日までだったような・・・)

muryoji1.jpg

(cf:MIHO MUSEUM ホームページより、無量寺・龍図。)

http://www.miho.or.jp/japanese/member/shangrila/vol27/jshan27_1.htm

そして、島根・西光寺から、龍図襖。

saikouzi1.JPG

(図録より、部分。)

この、二つの龍図襖、顔がそっくりですが、それよりも、気になるのはその構図で、

無量寺の龍は、大きくて迫力があり、墨も襖、下の方に向かって垂れています。西光寺の方は、真中で真っ二つに分けられ、丁寧に細部まで描かれた構図。

無量寺の方は、室中之間の向かって右側にあるので、閉めた状態を意識しているんだと思います。

西光寺の方は、どこに置いてあったのか、わかりませんが、真中であけることを強く意識しているように、思えます。

同行していただいた、M氏に、この二つの襖について、質問されました。

”どちらを先に描いたか”、

私は専門家ではありませんので、実際のところは知りませんが、勢いや描きなれた感じ(一回描いたことがある感じ)からして、無量寺の方が、後かな~と漠然と思っていました。

一回描いたことがあると、いろいろ細かいことを考えずに、”応用”していろいろできる余裕ができるので、(というか、もう、一回描いたから、段取りが分かっているから)、無量寺の方は、勢いがあるのだと感じました。汗

そのほかには、あの伝説の「厳島神社の山姥図」が出ていました。

どう見ても、何に描かれているか見当もつかない”凄まじい”絵ですが、板に描かれているそうです。

で、今まで、本などで見ていたよりも、ずっと穏やかでした。汗

真っ赤に日焼けした(?)子供の手を引くお婆さん。で、とがった足の爪や、高価そうな布を継ぎはぎした着物、ぼろぼろの笠を背負って、その容貌はまさに山姥の様だけれど、意外にも彼女の着物の裾を踏んですがってくる子供の手を取るその手は優しげなので、ただ、無心に子供の手を引いている、お婆さんの”温かい愛情”のようなものが感じられました。

どういった物語が背景にあるのかは知りませんが、”恐ろしい”というのとは違った、印象を私は受けました。

ちなみに、この山姥図かなり絵具が剥落していますが、髪の部分に少しだけ、白い胡粉(?)のようなまっ白い線が残っていました。

というわけで、蘆雪の変な画家という面よりも、むしろ上手に絵を描く面をすごく実感した展覧会でした。

それしても、すごい量の展示で、見て回るのには本当に体力も気力も使うような大満足の展覧会でした!(^o^)丿

 


2011-05-01 15:14  nice!(9)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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コメント 4

nano

実際に目の前にすると
かなりの迫力を感じそうですね♪
by nano (2011-05-01 16:58) 

whitered

おはようございます。滋賀県のミホミュージアムには、一度行きたいと思っています。「鹿島神社の山姥図」興味があります。あの卒塔婆小町を思い出しますが、女性の行き着く先だからでしょうか。いいものを見てこられましたね。
by whitered (2011-05-02 09:16) 

koji

nano さん。
まいどです!コメントありがとうございます~
はい。実際に見ると、これを襖に使うか~と思うような
図柄です。
水墨なので彩色はありませんが、かえってそれが凄みになっていました。
どちらかというと、工芸品というよりは、芸術作品に近い感覚でした。
(^o^)丿
by koji (2011-05-04 11:16) 

koji

whitered さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
はい。大阪方面からは、そんなに遠くないのでは?
ただ、公共の交通機関だと、「石山寺」からのバスが大変な道のりですよね。汗
山姥と金太郎という図柄のようですが、本当に写真と目で見るのでは大違いでした。(*^_^*)
by koji (2011-05-04 11:26) 

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