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絹芭蕉 [着物]

とうとう、私も、夏の正絹の世界に突入しました。汗

もう季節は秋。9月までの残暑で、アイロンを使うことが本当にイヤだったころが、ウソのように涼しくなりました。今となっては季節外れですが・・・

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とあるところで、新品、女物の絹芭蕉、仕立て上がりをものすごい廉価で購入しました。

廉価なので、当然わけアリ、ミシン縫いです。

このままでは、着られないので、解きます。

この手のプレタキモノ(仕立て上がり着物)がミシン縫いなのは、良くあることです。

そして、良くあることですが、衽、身頃の肩開口から、斜めに衿下の上まで切断されています。

ミシンで縫っても衿がつらないように・・・なのは分かりますが、仕立て直しするときは、絶望的なことがあります。今回は、幸い、自分のサイズで何とか間に合ったのよかったですが、

こういう、無残な裁断を衿の中に見ると、本当に着物がかわいそうだと思えてきます・・・

それから、仕立て上がりにはよくあることですが、並幅の反物ではなく、二幅の広幅を半分に切って布を使っています。なので、布の耳が片方にしかありません。

kinubasyo3.jpg

ついでに、水洗いします。汗 2箇所ほど見えるしみみたいなのを洗おうと思って・・・

この生地、こういう特徴なのか、とにかくガビガビに硬いです。

水に入れた途端に、やわやわしてきますが、干すとまた、ガビガビになります。汗

アイロンをかけて、地直しをしておきます。

kinubasyo2.jpg

・・・背縫いは伏せ布をかけて縫います。脇縫い、衽付けをして、縫い代は折って絎け、

衿下を三つ折り絎け、裾も三つ折絎けします。

衿肩開きからの無残な斜めの裁断が良く見えますね。汗

上前の衽に小さいシミがありましたが、洗っても取れず、右衽に入れ替えました。

裏表のない生地だったので、助かりました。汗

kinubasyo4.jpg

衿をつけて、掛け衿を付けます。

ついでに、片袖が付いています。汗。 こういのって、縫い始めると、わざわざカメラを出して写真を撮ること忘れてしまうんですよね・・・

かなり、無我の境地で、工程を着々と進めている状態です。汗 衿が終わったら、アイロンをかけて、次は袖付け・・・みたいに・・・

kinubasyo5.jpg

完成!今回は、どのくらい絹芭蕉が透けるか、という見本で、障子の前に立てかけてみました。

かなり透けますね。というわけで、いしき当てはつけませんでした。下に着る襦袢にきちんと補強を入れないと、ダメだと思います。

こういう透ける夏物は、しっかり透けさせないと野暮だと思います。だから、肩布はなしで、小さな当て布で、肩開き口を補強、袖も当て布をあてて、透けたときに縫いしろが真直ぐになるように、普通の単(ひとえ)とはちがう仕立てになっています。

そして、仕立てあがって見てみると、やはり、衿が弱い印象です。衽、身頃が切り取られているので、薄っぺらな印象です、衽も自立できずに下がってしまいます。

こういうことを考えずに、ミシンで縫いやすいから・・・と、斜めに切り取ってしまう感覚は、着る人の着易さとかは、まったく考えていませんね。

ちょっとしたことですが、こういった余裕がないと、着物が急に薄っぺらな、「プレタ・キモノ」になってしまうんですよね。

全部の「プレタ・キモノ」がそうだとは言わないけれど。

それから、内揚げは、もとの着物の断ち切り寸法そのままなので、かなり多く揚げています。

帯の下に隠れて、帯に擦れ易いので、補強になると思います。(女物の衿肩開きの繰越3cmの分、男物にするときに、前に余分が出るので、その分は切断しました。)

kinubasyo6.jpg

そして、袖口です。

夏の薄物の袖口は、私のお手本いにしている教科書では、ひねり絎けです。夏の薄物では三つ折だとちょっと重い印象になるので、ひねり絎けは幅、2~3mm程度が涼しげだと思います。

前回、ポリエステルの三駒絽で、このひねり絎けをやろうとしたときは、布が暴れて、なかなかひねるのが難しかったのですが、今回は、さすがに絹なので、素直に硬くひねることができました。

前回の練習が役に立ちましたね。笑

これを着るのは、来年以降になりそうです・・・

本物の芭蕉布の代用品ですが、

一応、正絹なので、肌触りもよく、無事に仕立てあがって、うれしいです。

(解き洗いから、仕立て上がりまで、3ヶ月もかかってしまいました。汗 今年の夏の暑さはすごかったですからね~汗汗)


2011-10-06 12:24  nice!(14)  コメント(6)  トラックバック(0) 
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コメント 6

nano

流石にもう寒いですかね?
暖かい日を待って着るのもいいかな
せっかく素敵に出来たんですから♪
by nano (2011-10-06 13:44) 

Akira

3か月ですか^^;
お疲れ様でした。

やはり着る人のことを考えて、着物は仕立てるべきですよね…
ぞんざいな扱いをしたら、生地がかわいそう。。。
by Akira (2011-10-06 23:29) 

koji

nano さん。
まいどです。コメントありがとうごじざいます!
さすがに寒いです。
あと、着物のシーズンとしては、ちょっと季節外れなので、
着られないです~
来年ですね。暑いさなかに、汗をかきながら着ると思います。
by koji (2011-10-07 12:41) 

koji

Akira さん。
まいどです。コメントありがとうございます!(^o^)丿
おっしゃるとおりです。
着るもので、前衛芸術ではないのだから、やっぱり着る人の事を考えないと、ちがうような気がしますよね。
それから、私は、着物が好きですが、それより、絹そのものが好きなので、
絹がかわいそうな気がしてしまいます。
お蚕さんの命をいただいている、布なのだから、もう少しね、
丁寧でもいいかも・・・と個人的には思いますね・・
by koji (2011-10-07 12:53) 

whitered

こんにちは。良い感じの絹芭蕉ですね。プレタものは、たぶん外国で縫製されたのでしょうね。やはりきものは直線裁ちでないといけませんね。ミシン縫いを解くのは、根気がいるでしょう。きものを知り抜いているkojiさんの手にかかると、りっぱな薄物になりました。来年の夏が楽しみですね。
by whitered (2011-10-07 13:42) 

koji

whitered さん。
まいどです。コメントありがとうございます!
こんにちは。普段、黒っぽい着物はあまり外で着ないので、
今回は夏物だし、下の襦袢が白ければ、いいかな・・・と思って作ってみました。
やっぱり、こういうプレタものは外国縫製が多いですよね。
ミシン縫い解くのは大変でした。汗 絹芭蕉は生地が薄いので無理できないし、しかも、全部ミシン縫いなので、下糸を引っ張ってみたり、ちまちま切ったり・・・
おかげさまで、なんとか仕立て上がりました。(*^_^*)
次は襦袢・・・は、またいつかの機会に・・・笑 ですね。
着物はきりがないですね~汗
by koji (2011-10-09 07:57) 

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