熱田神宮 「日本の神話」展 [日記]
熱田神宮の宝物館で、秋季企画展をやるそうなので、見てきました。
テーマは「日本の神話」です。熱田神宮なので、当たり前といえばそうなんですけど。笑
近・現代画家を中心にということでした。
ところで、最近ニュースでみた、桜開花、名古屋でも見まれました。
こんなときに咲いていると、変な感じです。この桜、普通は春に咲いていいます。汗
それでは、熱田神宮へ向かいます。
今回は、R氏の知り合いの、病気平癒の祈願もかねての参拝です。
上知我麻神社の方のお守りで、彼の知り合いが何人も、結構重篤な病気から治っているので、
お守りといただきにきました。
上の写真は、別宮八剣宮です。本宮よりもひっそりしていますが、ものすごい気が満ちています。
それでは、展覧会に向かいます。
今回は、近代現代の作家なので、そんなに気合は入っていませんが(汗)、
日本神話は、なかなか興味深い題材なので、勉強のつもりで、見てきます~
(パンフレットより。)
右側、鈴木松年筆 八岐の大蛇胎児図です。
これ、どこかで見たことある構図だなあ・・・と思っていましたが、
ミホ美術館で見た長沢芦雪の”鍾馗図”にそっくりです。
特に刀の握り方、髭の表現。衣装は日本風になっていますが、八岐の大蛇は龍そのものです。
四条派かな・・・と思っていましたが、やはりそうでした。
解説によると、鈴木松年は、鈴木派の祖鈴木百年の長男とあり、「父から受け継いだ、南画や狩野派、四条派などの折衷表現に写実的要素を加えた豪放な画風でしられる。」とありました。
四条派なら当然写生(応挙に師事はしていませんが)もふくんでいるので、この解説には少し、?を感じますが、
京都画壇にあっては、応挙先生の影響を受けないわけには行かないので、こういうどこかで見たことある、構図にであってしまうのだと思います。
左側は 大浦玉陽筆 橘媛投身図 です。明治的なドラマチックな表現になっています。
ただ、砕ける波頭の胡粉が剥落してきているので、巻いたり開いたりは、大変だろうなあ・・・と思いました。汗
そして、今回の一番の目玉(だと私は思っている)です。
(パンフレットから。)
富岡鉄斎筆 二神会舞図 です。
この絵、実はすごく大きいです。
絵の款記には、九十歳と読めますから、最晩年の作品のようです。
話は、「天孫アマツヒコヒコホノニニギノミコトが、高天原から高千穂の峰に天降る際、その先導をするアメノウズメノミコトが、道案内の為に待ち受けていたサルタビコノカミと出会い舞を披露する場面」(パンフレットより抜粋)
だそうです。
猿田彦神は、通り道をはじめふさごうとしたのを、天宇受売命が胸を出して話しかけ、その後踊った、という神話です。
富岡鉄斎は、神主を勤めていたこともあったようなので、日本神話にも造詣が深かったようで、
この絵の前に立つと、高千穂の風景が青っぽい薄墨のごつごつした山が、二柱の神のやり取りによって起こるエネルギーの渦のようにみなぎってくるように思われます。高天原から流れてくる雲、そして流れ落ちる滝、いろいろな暗示があるようですが、それらを深く考えなくても、楽しい絵だと思いました。
他に展示されている厳かな神話の絵に比べると、太古のおおらかさとは、こうだったかもしれない・・・と富岡鉄斎の表現方法の面白さを感じました。
宝物間を出ると、早くも七五三のお宮参りの子供達が、着物を着て、砂利道を歩いている姿がちらほら見られ、キンモクセイの香りもあって、穏やかな秋の日差しがありました。
共通テーマ:アート
日本神話を絵で表現した世界も
見てて飽きないでしょうね~♪
by nano (2011-10-17 14:55)
R氏のお知り合いのご病気、早く良くなるといいですね。墨絵もなかなか迫力がありますね。富岡鉄斎の画は、おおらかで力強いです。好きな絵の部類に入ります。
by whitered (2011-10-18 09:17)
nano さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
そうですね~飽きませんね。笑
明治期の神様は、ミズラに結っているのと、蓬髪とあって、
なかなか興味深いです。ミズラはどのくらい古いのかによって、
時代考証にあっているか、考えたんだと思います。
どちらにしても、かなり力の入った作品が多かったです。
by koji (2011-10-18 11:53)
whiteredさん。
まいどです!コメントありがとうございます~!
お見舞いのお言葉ありがとございます。
明治は古い絵画形式を破ろうとしていた時期なので、なかなか面白い水墨画がありますよね。
その代わり、かつてあったいろいろな約束事は意味がなくなってしまったので、
狩野派に代表される形式的な美意識を下敷きにした物がないので、すこし重みに欠けるかもしれません。
その点、富岡鉄斎は、文人画なので、自らの思うままの絵が、完成度を目指しているほかの絵に対して、まったくちがった次元のものでした。
南画、文人画は、伝統的な分類に入るにもかかわらず、その成り立ちからして、絵師の心象風景がそのままでるので、絵師の力量がくっきりわかれますよね。その点で、富岡鉄斎は、深い洞察のある人だと感じました。
by koji (2011-10-18 12:00)
二神会舞図は直で見てみたいですね~
神話の世界を近代画で見ると、面白いかも…
by Akira (2011-10-18 23:31)
Akira さん。
まいどです!コメントありがとうございます!(^o^)丿
二神会舞図は、東京国立博物館の所蔵品だったと思うので、
いつかまた、展示されるかもしれないですよ~
神話、特に明治期は、日本って?ていう自分達のアイデンティティを探していたときだから、なかなか思惑が入っていますが、でも、その分、現代の人にもわかるように、身近になっている気がします。
by koji (2011-10-20 10:40)