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第五十九回 日本伝統工芸展

先週末の連休の中日、名古屋三越へ日本伝統工芸展を見に行ってきました。

この展覧会は、結構長いこと、連続して見に行っています。

何より入場料がただなのがいいですね。

いつも通り、着物というか、染色、織物から見ます。

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紋紗着物「謡月唄吟花」

土屋順紀氏作。(日本伝統工芸展ホームページより)

この作品は紋紗というとおり、紗の紋織りなのですが、実物を見にすると、本当にきれいです。

自分が着るという目線で見ていないので(笑)、純粋に布目の美しさ、糸色の美しさだけを堪能しました。

これを人間が着ている姿は、やはり想像できませんでしたが、しいて言うなら、貴婦人の被衣(かづき)とかには、とってもあっていると、勝手に想像していました。

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芭蕉布着尺地「藍コーザー爪の型」

平良敏子氏作

本物の芭蕉布です。先ほどの紋紗は、ちょっと人が通っただけでも、ふわふわゆれるはかなさがありましたが、

こちらは、出されている面が少ないためか、あまり風に影響されずにシャンとしていました。

何度もいうようですが、本物の芭蕉布です。

作品に触れてはいけないので、どんな風合いなのか、全然わかりませんが、見た目は、私の偽物”絹芭蕉”の透ける感じに似ています。

が、気の遠くなるような、工程と手間を考えると、まったく別のものとしか言いようのない、存在感があります。

素朴なようでいて、趣のある美しい布でした。

今回の展覧会では、友禅染や、刺繍の美しい着物たちに引けを取らない、風格をもった紬たちがたくさん展示されていました。

やはり、着物は、自分が着ることを前提にどうしても物を見てしまうので(笑。実際はわたくしごときの、手のとごくものではないのですが)、紬ばっかり目が行ってしまいます。

今回の展覧回では、作家の伊藤恭子氏が、出品作の よろけ織着物「風薫る」の制作工程を、展示を交えて、説明してくださっていました。非常に興味深い織り方だと思いました。

とまあ、金工、陶芸、漆芸 など、いろいろな分野がありますが、私の興味のある部分だけ(笑)集中的にというか、じっくり見てきました。

着物地はやはり、奥深いですね。民芸という分野だけで、くくれるものではなく、工芸が明治期に、芸術に昇華したのを強く感じました。

それでも、人間の着ることを考えた優しい思いやりが、ふんわりと漂っているのが、芸術とか工芸とか、もういいか。っと思ってしまいます。

ただ、素晴らしい織物、染め物と素直に喜んでしまいました。(#^.^#)

すべての着物生地たちもこうやって、作る人の愛情を経ているといいのに・・・とおもってしまいました。


2012-10-09 12:45  nice!(9)  コメント(6)  トラックバック(0) 
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コメント 6

nano

伝統工芸はホント素晴らしいものが多いですね
後継者難というのが残念です(#+_+)
by nano (2012-10-09 14:44) 

koji

nano さん。
まいどです。コメントありがとうございます!
そうですよね。伝統工芸は、手間がすごくかかるものがいっぱいあって、作家さんの物づくりへの愛情が感じられました。
後継者・・・そうですね。部門によっては、そういったことも問題になっているようでした。
by koji (2012-10-11 10:48) 

whitered

土屋順紀さんの紋紗、さすがですね。これは、間違いなく観賞用ですね。
やはり人間国宝ともなると、世の中に作品を発表しないといけないのでしょうね。
by whitered (2012-10-11 23:37) 

koji

whitered さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
そうですよね~。やはり、観賞用ですか・・・・
どうも、人間が着ている姿が想像できないと思いました。
着物の形をした、芸術品ですね。
この土屋氏のほかの作品が岐阜でも織物の展覧会で展示されているようでした。地元の・・・というつながりなのかもしれませんが、最近よく目にします。
きれいな織物ですよね!(#^.^#)
by koji (2012-10-12 08:43) 

Akira

すごい綺麗ですね…
ここまで作り上げるのに、本当に手間暇かけてるんでしょうね…
by Akira (2012-10-15 21:09) 

koji

Akira さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
はい。実物の透ける感じは、なんとも言えず、美しいものでした。
紋紗のほうは、どういう組織になっているのか、見当もつかないような繊細なものでした。
人間の創造力を侮ってはいけませんね~!
by koji (2012-10-16 12:33) 

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