「サーカス象に水を」 [読んだ本]
「サーカス象に水を」サラ・グルーエン著 Sara Gruen(Water for Elephants)
を読みました。日本語で。
(画像は全然関係ないですが、まあ、大衆娯楽ということで。)
はっきり言って、なかなか重い話でした。汗
前評判で面白いと聞いていたのですが、自分の好きなタイプ(奇想天外な天才の書いた話。笑)の面白さとはちょっと違うような・・・
でも、すごく、すご~く良く書けていると思いました。
小説が好きな人は、こういう丁寧な描写の本を読むと、うれしくなってしまうと思います(私も含めて)。
よく、この中で、昔のサーカスの”見世物”としてのヤ○ザさとか、愛の物語とかを、
この小説の真髄という人たちを見かけるけど、
どう読んでも、私にとっては、「友情」をテーマにした話にしか思えなかったです。
私のお気に入り小説は、必ず「友情」が入っています。笑
だから、この小説の重い社会背景とか、人間関係とか、全然将来が見えない、不安とか、そういった”お話”中にまで現実を見たくないと思う気持ちを、おいておいても、
その根底に流れる「友情」の交流こそ、私にとっては、唯一の救いのような小説でした。
「壮絶な愛を貫いて」とかいう、恋愛至上主義で、”友情なんて二の次!恋愛を取って何が悪い!”と考えている人には、物足りないと思います。
なにより、主人公のジェイコフ・ヤンコフスキという人が、いろいろな人たちの友愛(鳩○ではないけれど)を受けていくところに、心が温まります。
物語中で、
「93歳で何が悪い!(原文では、”So what if I'm ninety-three?")」と叫ぶところがありますが、
私は、そこで、どうしようもなく泣いてしまいました(その前後がすごくいいんです)。
そこには、信じられないような友情の思いやりがあふれていました。
何もままならない人生で、「(自分は)○○で、何が悪い!」と言って、皆、自分にはっぱをかけて生きていくんだなあと、激しく共感しました。
物語は、最後の方になるまで、とりとめもなく進んでいきますが、最後の最後で、見事なエディングにまとめあげた、サラ・グルーエンという著者は、自書の中でもいっていますが、
良くやったもんだ。と思いました。
ちなみに、日本語版にはありませんが、英語版には、ヤンコフスキが若いときの設定の時代の、本当のサーカスの写真が何点か掲載されていて、よりいっそう、その当時の雰囲気を演出していました。(というか、サーカスの写真から、物語の着想を得たようなことが、書いてありました。)
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なるほど
でも、観てみたいかも!
by Ranger (2011-08-09 14:28)
なるほど…
「(自分は)○○で、何が悪い!」って結構胸に刺さりそう…
ちょっと気になる本ですね。
by Akira (2011-08-09 20:52)
Ranger さん。
まいどです。コメントありがとうございます!
今は、もう、映画化されているようですね~
かなり長い話ですが、映画で見るのも手ですね~(#^.^#)
by koji (2011-08-10 15:42)
Akira さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
この台詞、お話の中の前後の関係で、すごくいいんですよ!
英語では、「だから何だってんだ!俺が93だとして。」のほうが近いけど、
やっぱりうまく訳したなあ~と思いました。
映画化されていますが、心温まるエンディングになっていますよ。(#^.^#)
by koji (2011-08-10 15:50)