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徳川美術館 歌仙-王朝歌人への憧れ 展 [日記]

徳川美術館へ、「歌仙-王朝歌人への憧れ」展を見に行って来ました。

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素敵な図録です。

歌仙絵なので、当然ですが、たくさんの仮名の書も展示してありました。

それをいちいち読んでいると、時間がかかりますが、上手(!って失礼な言い方か!)な手をみると、典雅な気分になります。

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東福門院入内図屏風(徳川美術館ホームページより)

です。

これは、洛中洛外図のような、洛中図ですが、人物の表情がよく見えて、面白い屏風でした。

作者は、落款印章がないので、なにも記述してありませんでしたが、岩佐又兵衛風の顔立ちでした。

工房とか、それ風とかかもしれませんが、おもしろい屏風でした。

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岩佐又兵衛 官女図 (MOA 図録より参照)

こちらは、「勝以」の印があります。岩佐又兵衛描く顔、衣紋線は面白いものがありますが、

それより、官女というタイトルがついているのに、この衣装。。。

袿の上に重ねた撫子の模様の上着、なにやら直垂のような胸紐がついていて、こきたれているので、背側に回っていますが、菊綴じが、袖付けにあるように見えます。また、裳を引いていますが、小腰を腰で結ばず、背中から肩にかけて、肩ひものようにしています。袴は、右に片輪結びにせずに、中央で結びきっています。着籠めている小袖は黒っぽい灰色(もしかしたら、銀泥が酸化しているかもしれませんが)。女官と呼ぶのには少しかわった衣装ですね。

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岩佐又兵衛 伝尊純法親王筆 (埼玉 仙波東照宮蔵 徳川美術館ホームページより参照)

三十六歌仙額 の内、在原業平

 「人麻呂と中務の額裏に「寛永庚辰七年六月十七日絵師土佐光信末流岩佐又兵衛尉勝以図」という銘文が記されている。明治十九年(1886)にこの銘文が発見されたことにより、それまで別人とされてきた勝以と岩佐又兵衛が同一人物であることが確認され、岩佐又兵衛研究に進展をもたらした。年記をもつ数少ない又兵衛作品の1つである」

という、なかなか意味深い絵です。絵も字もとても趣深い額絵です。

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今回の展覧会の目玉。

佐竹本三十六歌仙絵 藤原敦忠 個人蔵(徳川美術館ホームページより参照)

詞 伝後京極良経 絵 藤原敦忠

なにが貴重かというと、

「京都・下鴨神社から秋田・久保田藩佐竹家に伝来した「佐竹本」は、数ある歌仙絵のうちでも、成立時期が早く、また近代まで絵巻の姿で伝えられた点においても、歌仙絵の展開を知る上で極めて貴重な作品である。」

だそうです。似せ絵の手法は見るものをひきつけます。強装束と、表情のある人物の容貌は鎌倉チックで、見ごたえがありました。

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土佐光起 (東京・三井記念美術館 画像は徳川美術館ホームページより参照)

「絵は土佐派の中興の祖・土佐光起(みつおき)(1617~91)です。光起特有の優美な顔立ちに繊細華麗な着衣表現は格調高く、王朝文化の薫りを漂わせています。」

ということですが、絵自体は小さいです。にも関わらす、精緻な筆使い、豊かな表現方法。執念を感じるほど描きこまれた細部。館内の照明が、少し暗かったのもありますが(汗)、必死に細かい絵の細部をみようとしていたら、だいぶ、目が疲れてしまいました。汗

この光起あたりの絵が展覧会の順路の最後ほうで出てくるのですが、

もう、これでもか!これでもか!っていう感じに出てきます。

今回、ブログに書きませんでしたが、あまりにもすごいものがいっぱいあったので、紹介だけします。

○香紙切 麗花集 第十巻 伝小大君筆 1幅 平安 徳川美術館

○佐竹本三十六歌仙絵 小大君 1幅 鎌倉 大和文華館 (女房装束とか、十二単とかの説明によく使われる図)

○六々歌仙画帖 住吉具慶 1帖 江戸 徳川美術館

○東照社縁起絵巻(仮名本) 絵 狩野探幽 江戸 徳川美術館

○探幽縮図「歌仙源氏類人形絵巻」 狩野探幽 江戸 京都国立博物館

○歌仙図画稿 尾形光琳 江戸 京都国立博物館

○三十六詩仙額 狩野探幽 江戸 徳川美術館 (京都修学院の詩仙堂で、レプリカを見ましたが、本物は徳川美術館にありました。汗)

 とまあ、光琳、探幽が添え物のように思えるほど、ひたすら歌仙絵関係の文物が出てきて、最後のほうは、脚がフラフラでした。笑

徳川美術館は、企画展をやるときはすごいですね~しかも、10月16日から、展示を一部入れ替えするみたいです。汗

 

 


2013-10-16 09:05  nice!(7)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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コメント 4

whitered

すてきな企画展ですね。それにしても女房装束の立ち姿は珍しいですね。間近で見たいです。
by whitered (2013-10-16 10:04) 

Akira

ホント、素敵ですね~
いろんな装束も見れるし、面白いかも♪
by Akira (2013-10-16 21:46) 

koji

whitered さん。
まいどです!コメントありがとうございます~!
はい。歌仙絵というジャンルの企画展覧会、ちょっといいですよね。絵が好きな人も、書が好き人も両方楽しめます。
変わった官女姿ですよね。女房装束が変遷していく過程を見るようですが、そもそも、官女なのか、女房なのかそれも、この衣装からは、わからないし・・・
なかなか、見ごたえのある絵でした。(*´▽`*)
by koji (2013-10-18 07:53) 

koji

Akira さん。
まいどです!コメントありがとうございます!(^^)v
はい。この展覧会、かなり面白かったです。仮名についつい見入ってしまって、かなり時間がかかりました。
描かれた装束も興味深く、現在、私たちに同じみの形ものモノも、時代によって、途切れたり、変遷したりしていることが伺えます。
徳川美術館の収蔵量は、半端じゃないですね。汗
by koji (2013-10-18 07:57) 

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