名古屋城 百花繚乱・多士済々 名古屋城下の画家と作品 [日記]
浮世絵を名古屋市博物館へ見に行き、今度は、桜の観光客もひと段落した名古屋城へ
「百花繚乱・多士済々 名古屋城下の画家と作品」展を見に行ってきました。
いつもは有料の特別展示ですが、今回は、名古屋城の入場料だけで、見学できました。
尾張周辺の江戸絵画家で、有名なのはそんなにいないのですが、地元の人は大好きな、中林竹洞や、山本梅逸などが出ていました。
上の写真は、
松野梅山 竹林七賢図 です。(なんとフラッシュなしの撮影可でした)
いわゆる、よくある水墨画のテーマですね。こじんまりしていますが、筆使いはなかなか味わいのある雰囲気でした。
中林竹洞 雨中山水図
手前の小路をいく人は笠を目深にかぶって、目指す屋敷は霧の中にかすんでいます。雨雲の向こうには洗いだしたような新鮮な山の峰が連なって、とても美しい眺めです。
私は今回の展覧会で、この絵が一番好きでした。(*´▽`*)
山本梅逸 花卉図
愛知県美術館の木村定三コレクションの梅逸は端麗で、筆使いの達人さを存分に発揮して、見るものに、これでもか!これでもか!と技を繰り出してきますが、それでも、そこはかとない詫びがあって、好きでしたが、
今回展示されていた梅逸は、くどいほど、 描きこんでしかも装飾的。たらしこみや没骨のような筆技の見せどころが少なくて、とにかく装飾的な感じでした。
もっとも、注文客によって描き分けをしていたと思いますが、こんな側面もあるんだと、少しびっくりしました。
山本梅逸 松竹寿帯鳥図
こんな絵も描けます!っていう感じですね。とっても上手です(失礼な言い方!でも、本当に申し分のない筆技)
格式のある雰囲気にはぴったりです。
伊豆原麻谷 松林山水図
竹洞、梅逸と並んで、歳寒三友の一人と言われていたそうです。
つるりと処理された画面に細く鋭い線で、刻み込むように書かれた岩肌は、地がつるつるしているので、筆の墨跡に勢いがあって、光沢があるのでにじみもほとんどなくて鮮烈で、幻想的です。
私は、恥ずかしながら、伊豆原麻谷のことを知りませんでしたが、面白い山水だと思いました。
森高雅 源氏物語夕顔図
源氏物語の一場面なので、気になってしまいましたが(笑)、
ちょっと、この人、源氏物語読んでいないでしょ!と思わずひとりで、突っ込んでいました。
「黄なるすずしのひとへの袴ながやかに着なして」という、女童の登場のシーンですが、
小袿のようなものを羽織った女房が、檜扇に夕顔を添えて、ばっちり真っ赤な打袴で登場しています。
黄なるすずしの袴は、いろいろな解釈がありますが、先輩女房のおさがりのひとえの緋袴(紅染めがさめて、黄色っぽくなったといういみで)、このうちの経済状況があまりよくないことをあらわしています。それを、急場しのぎに女童に着せ掛けて、強く香をたき籠めた白い扇に載せて夕顔を惟光に渡すというシーンでした。
でも、これはこれで、おもしろいです。御簾の中から、外の様子をうかがっている先輩女房達が丁寧に描かれていたり、屋敷の屋根は薄くおぼろにかかれていたり、源氏物語ファンは、見てしまいますね。やはり。
というわけで、そんなに派手な展覧会ではありませんでしたが、個人的には楽しく拝見しました。
展示されている作品のほとんどが個人蔵となっていたので、古美術商の方々か、個人コレクターの方かわかりませんが、あまり見かけない絵もあって、一期一会的な、趣のある書画会のようでした。
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なかなか素敵な絵ですね(^^)
趣もあって、良い感じかも♪
by Akira (2014-04-12 23:07)
Akira さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
はい。名古屋方面の江戸絵画って、すごくマイナーなかんじなんですが、なかなか趣深い絵がたくさんありました。
いい展覧会でしたよ(^^)v
by koji (2014-04-14 13:59)