芭蕉 広がる世界、深まる心 展 名古屋市博物館 [日記]
名古屋市博物館開館記念35周年特別展「芭蕉 広がる世界、深まる心」展を見てきました。
私は、俳句とかやっているわけではないのですが、
出光美術館所蔵の「かげきよも」発句扇面が気になったので・・・笑
中日新聞では、最近、この展覧会に関する出品作品を、1点ずつ紹介しているコーナーがありました。
それで、読みながら興味深いなあ・・・と思っていました。
展覧会では、まず俳句の成り立ちなどを紹介していました。
○連歌懐紙「賦何人連歌」 宗祇・宗長等百韻(名古屋市博物館)の仮名をぐずぐず読んでいたら、すごく時間がかかってしまいました。
この懐紙に、連句というスタイルは、この後受け継がれていきます。
幅が、普通の絵巻物より半分ぐらいの狭いものですが、懐紙という素材にもかかわらず、金泥で、繊細に料紙装飾がしてありました。絵の題材は右から春の梅、桜、若菜、川の流れ、漁師、と非常に繊細でした。秋、冬は、巻かれたままだったので見ることはできませんでしたが、よく見ると・・・というのがとても上品で好きな感じでした。
そのあとに、芭蕉の真筆としては、最古だといわれている、
○「はるやこし年や行けむ小晦日」宗房
という短冊がありました。御家流筆跡と、説明書きにかいてありありましたが、読みやすい、字でした。(説明書きでは取り繕っていると、書いてあったような・・・)
○「ふるいけや・・・」発句短冊 芭蕉筆 上の写真中央左
あまりに有名な句ですが、その短冊の料紙装飾は、短冊の上に藍、下は茶色っぽいですが、当時は紫のもので、先に紙の繊維を藍と紫に染めて、漉き込んだもので、普通に見ていると、筆で描いたのかな・・と思っていたのですが、なかなか手の込んだもののようでした。そういった視線で見ると、その他の短冊も同じようなかんじだったので、短冊にこの形式は一般的なのでしょうね・・・汗
○上の写真中央の芭蕉翁図画賛 呉春(松村月渓)画 芝山持豊賛
いろいろ芭蕉の図はありましたが、この展覧会で、一番目を引いていました。なんとも力の抜けた姿ですが、”呉春”の人柄を表しているようでした。水墨画だと思いますが、衣は薄く青味がかっており、松煙墨を使っているかもしれないですね~
○「笈」牡丹鎗金手箱 上の写真 左下
芭蕉の「笈の小文」の笈です。汗 鎗金というのは、中国の漆工芸の手法で、漆に線彫をして、金を詰める技法らしいです。金は、ほとんど残っておらす、線彫りのあとがかろうじて見られました。実際に使っていたものであるということが、由来来歴のはっきりしたものなので、今回の目玉の一つのようです。
写真のあるパンフレットを持ってこなかったので、画像がなくて、申し訳ないのですが、
○「かげきよも」発句扇面(出光美術館)
は、銀の地に金の雲どりで、その雲の中に、桜を描いた不思議に目を引くものでした。能で使う扇のようで、芭蕉の手によって「かげきよも花みのざには七兵衛」と書かれていました。それにしても、銀地に金雲どり桜って、すごい感性ですよね・・・・銀は酸化して灰色になりつつありましたが、それでも、金属の光を反射して、銀地なので夜桜を連想させます。見れば見るほど、不思議な扇でした。
と、まあ、筆跡がメインの展覧会でしたが、、親しみやすく、読みやすい手だったので、ついつい見入ってしまって、閉館時間がことのほか、早く感じられる展覧会でした。
それしても、渋くてなかなかいいな~と思いました。地味だけど、いいですね~こいう展覧会。
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芸術の秋、楽しまれてますね♪
by nano (2012-10-18 15:20)
nano さん。
まいどです!コメントありがとうございます~
はい。展覧会目白押しですね。
この機会に少しずつ見ていこうと思っています。
ナゴヤ方面はなぜか、日本美術の展覧会が少なくて・・・汗
by koji (2012-10-20 09:12)
こんばんは。地味だけど、マニアックな特別展のようですね。連歌って面白そうですね。先日、亡くなられた丸谷才一さんと大岡信さん岡野弘彦さんの連歌を巻いた?本、楽しんで読んでいます。
by whitered (2012-10-20 20:58)
whitered さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
そうですね。たくさんの人が、わざわざ出かけて見たいか、と言われれば、地味ですよね。笑
マニアック・・・笑ですね。芭蕉は全国区でファンがいますが、その周辺の物も含めて・・・というと・・・
個人的には、芭蕉の手が本当に読みやすい手だったので、ついつい読んでいると、時間がかかってしまいました。
面白そうな、本を読まれているみたいですね~連歌はちょっと面白い形式だと思います。(#^.^#)
by koji (2012-10-22 13:52)