SSブログ

ドラマチック大陸 展 ボストン美術館 [日記]

最近の円安は恐ろしいものがある。1か月かそこらで、大変なことになっている。

対ユーロも信じられないことになっている。恐ろしいことだ。急激な為替変動は、誰かが、儲けているだけで、周りはいい迷惑である。

というわけで、名古屋ボストン美術館で、「ドラアマチック大陸 風景画でたどるアメリカ」展を見てきました。

IMG_0002.jpg

ちょっと、日本では、珍しい企画だと思います。集客率が低そうだし・・・汗

今回の展覧会は、年代別でも、何々派というジャンル別でもなく、

アメリカ合衆国のどこを描いたかという分類で紹介されていました。

きっと、アメリカ人は、自分の出身の風景画をみて、

「ここ、自分が育ったところ!100年前は、こうだったのか~やっぱり、いちばんいいね。」

と思うはず。

私だって、KM市が絵画になっていて、日本風土記とかにでていたら、KM市、やっぱり田舎だけど、いいわ~と、内心思うはず。

しかし、非アメリカ人なので、どこがどこなのか、それぞれのコーナーの地図がなければ、さっぱりわからないアメリカの地理で、しかも、昔の絵なので、純粋油絵としてみると、なかなか面白いものがありました。

その中で、好きだったものを2点あげてみます。

まず、ニューイングランド部門から、

imagesCA6GI8JE.jpg

「スミスズ・ポイント、ベヴァリー、マサチューセッツ」 ジョン・フレデリック・ケンゼット作 1867年。

普通の岬の風景ですね。

なにが、好きだったか?というと、

この画像ではわからないのですが、サイズは47型テレビぐらいです。

朝日か、遅い午後のような、オレンジがかった日差しが崖にさしています。空も海も穏やかで、空の高いところに、薄く雲がたなびいています。

何のことはない、風景画のようですが、一瞬、目を奪われるのは、その岩の崖の表現です。

海と空は、普通の油絵の表面処理で、ニスが古くなって、ひび割れています。

しかし、崖の絵の具は、とても艶やかで、明らかに、海と空とは違った処理がされています。

または、透明度の高い油絵の具を使って、光沢を強く出しています。

その海空と、崖の質感の対比が、鮮烈で、日をあびて、温まった崖の温度さえ、感じられそうでした。

なかなかいいですね~油絵は、いろいろな技法があると思います。自分は専門じゃないので、全くわかりませんが、画面としてとらえるときに、滑らかにする部分と、反射させる部分とを同じ絵に取り入れていることは、ちょっとアメリカ的な挑戦に思えました。

続いて、西部コーナーから

 

bierstadt_albert_the_buffalo_trail.jpg

「バッファローの道」 アルバート・ビアスタット作 1867年

あちゃ~なんか、田舎くさい絵。(スミマセン(>_<)そう感じてしまったんです)

もう、なんで、こういう絵が、わざわざ、海を渡って名古屋にやってきたの?と一瞬思ってしまいました。

もっといいのがいっぱいあるだろうに、名古屋人をなめとるのか?

いえいえ、そんなわけではありません、彼は、ハドソン・リバー派という絵のスタイルの代表的な画家らしいです。

それにしても、あちゃ~、と思ってしまうのは、光でしょうか、バッファローの行進でしょうか、

どうやら、私が見慣れている宗教画(キリスト教)のドラマチックな光の表現が、私には、なんか、やりすぎ~と感じてしまいました。

けれども、なぜ、ここにわざわざ取り上げたか。それは、バッファローたちが歩いてきた光の当たる平原が、麦畑に見えたりしたからです。

もしそうなら、人間が後からやってきて、畑を作っても、バッファローたちは、自分たちの道を覚えていて、麦畑を横切って、川を渡っている・・・という話なら、なんか、面白くなってきます。

アメリカの開拓精神は自然との闘いが基本だと思うのですが、この画家が、麦畑を横切るバッファローを描いたなら、それこそは、神様の創造した生き物への、賛歌のような気がしてしまうのです。

画家は、そんなことを、考えて、描いたとは到底思えませんが、私の心の中では、神様の作った大地を黙々と歩くバッファローたちは、その頭を垂れて歩く、敬虔な巡礼者のように見えました。

あちゃ~、ロマンチックな、ハドソ・リバー派に、どっぷりつかっていますね。笑

総括。全体的に地味な展覧会ですが、私は、こういうの好きです。笑

あまり人が多いと、絵の細かいところが見られない。

今回のジョン・フレデリック・ケンゼットにしても、アルバート・ビアスタットにしても、静かなところで、ゆっくりとみるからこそ、わかる面白さがありました。

混んでいたら、

「ああ、風景画ね、見ました。次々!」と、味わう暇さえないような気がしてしまいます。

この前の大盛況だった、日本美術の至宝展に比べると、ものすごく地味だけど、こういう企画も、やっぱりいいなあ~と改めて思いました。

 


2013-02-05 18:40  nice!(10)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 10

コメント 4

nano

日本の風景も素敵ですが
スケールの大きさとなれば
やっぱり海外ですねヾ(´▽`;)ゝ
by nano (2013-02-05 21:30) 

Akira

なんか、光の感じが良いですね~
岬のが好きです♪
by Akira (2013-02-06 23:43) 

koji

nano さん。
まいどです!コメントありがとうございます!
そうですね。まさに的確な、コメントだと思います。
距離感が広大なんですよね。土地が広いだけに。
by koji (2013-02-09 15:09) 

koji

Akira さん。
まいどです!コメントありがとうございます!(^^)!
そうなんですよ。
スミスズポイントのほうは、ちょっとあれ?っと思わせるものがありました。
どこかで見たことのある光とでもいうのでしょうか。
よく、それを表現していると思いました。
by koji (2013-02-09 15:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 
2013正月 おせち料理編ゆずジャム ブログトップ

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。