黒羽織一つ紋付 [着物]
3年前に台湾で買った、紋綸子を羽織に仕立てようと思っていましたが、今回やっと仕立てることになりました。汗
用布は2幅の正絹紋綸子です。額縁は、しぼの余りたっていない友禅のちりめんです。
今回は、紋を入れてみることにしました。汗
上の写真は、生地が2幅なので、背縫いをつまんで仮縫いし、紋が背縫いでぴったり合うように、ステンシルで、大まかに紋入れしています。
紋付はいろいろ格があって、5つ紋付、3つ紋付、1つ紋付、染め抜き、描き、繍縫い、貼りなど、場所や、着る機会の制限がいろいろかかってきます。
私が今回作ろうとしているのは、どんな格の一つ紋付になるのでしょうか。
まず、生地が黒綸子（しかも中国風）なので、はっきり言っておしゃれ着です。ただ、本当の家紋なので、なんか改まっているような、でも、描き紋なので、染め抜き程気合が入っているわけではなく、遊びのような・・・何とも奇妙な黒羽織です。
遠くから見ると、一つ紋付黒羽織、近くで見ると、なんか趣味性の強い変わった羽織に、なるといいなあと思いました。
左右後ろ両身頃に大まかに紋が入りました。この後、面相筆で、細部の修正、加筆をします。
いつも通り袖から仕立てます。男物の羽織は、袖山からそで下まですべて、身頃に縫い付けます。
そのため、着物のような人形は作りません。
今回は、引きかえし仕立ての袷にしています。まず、裏身頃の裏地と、表の引きかえし部分を、輪になるように縫います。縫い目にきせをかけて、かくししつけをします。
その後、背縫いを、表、裏とおして、縫います。そうすると、表の下のほうが、裏側へ回って、表から裏の途中まで、表の生地で仕立てる、格のある仕立てになります。
写真では、両脇のマチがすでに、表裏見ごろで挟んで、4枚いっそくに縫いつけてあります。
前身ごろは、前下がりと言って、３ｃｍほど、後ろ身頃より長く下がっています。
さて、この紋綸子ですが、思いのほか、薄いのもだったでの、額縁につかった、日本製のちりめんの厚さとの差ができて、裾が軽くペラペラになってしまうので、急きょ、芯を入れることにしました。
写真は、上から芯、額縁、後ろ引きかえしとなっています。この上に表後見ごろがかぶさって、芯地は完全に中に入って見えなくなりますが、これで、紋綸子と、ちりめんの段差がなくなります。芯地は、胴裏の切れ端を使っています。
前表身頃も同様に芯を入れますが、衿、マチ折り返しの部分が厚くなりすぎないように、芯の幅を調節します。
衿を付けました。この衿が、また、たくさん用布を使って、並幅をそのままで折って使います。汗
肩山から、決まったところに乳という、羽織紐を付ける輪っかを付けます。共布で細かくくけて、紐を作ります。
袖を縫い付けました。
完成です！身頃裾に芯を入れたので、どっしりした、仕上がりになりました。普通の国産正絹生地と同じような重さです。
後ろから、丸喜紋が中国生地ッぽいですね。笑 ほかに漢字で福寿など、おめでたい感じが織り出されています。
光沢は、少しありますが、それほど光りません。
背中一つ紋付の部分。
どうでしょうか？まあまあきれいにできたと思います。
黒紋綸子がとても柔らかいので、正確にツモルのが難しかったですが、芯を入れてして仕立て上がってみると、とても、柔らかく、着心地のいいものになりました。
紋も、通常の男物の型通りで、肩山から、何センチ、大きさ何センチなど、一般の一つ紋付羽織と同じになりました。
着る場所は選びますが、たとえば、友達の誕生日とか、発表会の見学など、近い人のお祝いの席で、ジャケットのような感覚で着ても、いいかなあと思います。
もっとも、全く知らない人の集まりや、結婚式などの式典には不向きです。
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紋も綺麗に出来てますね
それにしても、何とも不思議な印象の
お着物になりますねヾ(∇'〃)
by nano (2013-05-01 15:58)
紋付まで作られるとは・・・
生地が面白いので、変わった感じですねー
by Akira (2013-05-01 23:42)
nano さん。
まいどです！コメントありがとうございます！
はい。おっしゃる通り、不思議な感じの着物になると思います。
もっとも、地の色が黒いので、そんなに、めちゃくちゃ変ではないとおもいますが。汗
by koji (2013-05-02 09:39)
Akiraさん。
まいどです！コメントありがとうございます～(*´▽｀*)
紋付といっても、描き紋なので、そんなに大したものではないです。汗
ちょっと実験的に作ってみました。
生地は、中国服用です。笑 普通に羽織では売っていないと思います。
着るときに、変なので勇気がいるかな・・・と思いましたが、
思いのほか、柔らかくて、着ている感じがしないので、全然本人は、気になりませんでした。笑
by koji (2013-05-02 09:43)